
2019年は年明け早々パニック的な株安&円高のリスクオフで相場はスタートした
直近の相場状況に加えて時期が時期なので、ある程度相場経験のあるトレーダーであれば円安方向のリスクオン・ポジションは遅くとも年末までには手仕舞いしていたことかと思うが、1/3のパニック的な急落相場で大損した人達は意外にもかなり多いらしい
そこで今回はそういったFX初心者の方向けに「今回の出来事から学ぶべき7つのこと」をテーマに記事をかいてみた(自戒の念も込めて)
目次
年末年始の流動性リスクを軽視してはいけない
クリスマス前〜年明けまでの連休期間は通常時と比べて市場参加者が極端に減り流動性が薄くなるためスプレッドの拡大や不利約定が発生しやすい
また、リスクオン(株高・円安)に比べてリスクオフ(株安・円高)の方が動きが極端なのは相場の常であり、特に通常よりも極端に流動性の乏しいクリスマス頃〜年末年始の期間は突発的なリスクオフ相場に注意が必要だ
・流動性リスクとは?
取引量が極端に少なくなることで取引が成立せず、売りたい価格で売れない or 買いたい価格で買えない可能性(リスク)のこと
長期のトレンドに逆らったポジションは取らない
何を持ってして長期のトレンドは上or下方向なのか?特に決まりはないが、長期トレンド(メジャートレンド)の判定基準として一般的に用いられているテクニカル指標は、200日 移動平均線や52週 移動平均線などが挙げられる
ドル円もクロス円も株(米株や日経平均)も昨年年末(20日頃)の時点でこれら移動平均線より下で推移しており、リスクオフの円高により警戒が必要な状況(メジャートレンドは下方向)であることを示唆していた
また、私個人的にはボリンジャーバンド、標準偏差、ADX(修正平均)という3つのテクニカル指標を用いたトレンドフォローの売買ルールを特に重視しており、日足だけでなく週足でもトレンド相場となっている場合には(逆張りであろうと)トレンドと逆のポジションはかなり危険と認識し、そういったポジションは取らないようにしている
買い専門は卒業して、売り(ショート)もできるように
私も初めの頃はそうだったが、FX初心者の大半は(外貨を買って円を売る)円売りトレードにしか興味がない
円はほぼ金利0のため、円売りポジションを持てば日々スワップ収入が見込めるからというのが一番の理由だろうが、売りにも手を出せば単純に収益チャンスは2倍になる
また為替市場参加者の50%以上は日本勢が占めているようで、そのほとんどが円売りメイン+3ヶ月〜数年以内には相場から退場ということを考慮すると、買いで入るよりも売り(円買い)に分があるのはまず間違いない
リスクオフ時の株・円相場は急落となるケースが多いが、逆にリスクオンで急騰するケースはそう多くなく、基本的にはジワジワとしか上がらない
よって長期トレンドが下方向となっている場面では、マイナススワップを支払っても(短期で値幅が取れやすい)売りで入ってみる価値は十分にある
損切りしないトレーダーはいつか必ず大損する
損切りが連続で続くと精神的にキツイものがある。それでも「含み損は確定したわけではないので損ではない」などと考えるのは非常に危険で、『含み損=実損、含み益=架空の利益』という認識を持つようにすべき
今回のような急落相場ではストップロスを設定していても大きな滑りを伴った不利約定となるケースもあるが、それでも損切り(ストップロス)はトレーダーが持つ唯一の防御策といっても過言ではない
通常の相場では『あそこで損切りしなければ利食いできてたのに・・・。』といったケースがほとんどだが、それでストップロスを設定するのをやめてしまうと年に数回起きるか起こらないかの急変動相場でいつかは酷い目に遭ってしまう
ストップなしの売買システムは、売買システムではない。ただのジョークだ。
そういうシステムでトレードするのは、シートベルトなしで自動車レースに挑むようなものだ。
勝つこともあるだろう。だが、最初の事故で死ぬこともある。
ストップがあることで、あなたは現実とつながっている。収益に関しては人は都合の良い考えを持ってしまう。
しかし、ストップをどこに置くか決めることで、どこまでなら下がり得るか考えるようになる。そこでは本質的な問いが強いられる引用元: 利食いと損切りのテクニック 第5章 ストップで売る
トレード数量(ロット)の決定は最初ではなく最後
ポジションを取る際は事前に「このトレードはいくらの損になるのか?」を把握しておく必要があり、その為にはストップロス(損切りライン)の決定が必須で、ロット(取引量)は許容損失額(%)から逆算して最後に決定すべきだ(表計算ソフトを利用すると楽)
ちなみに相場で生き残ろうと考えるのであれば、1回のトレードでの損失は最大でも運用総資金の1%以下に抑えるべきだと思う
例えば運用資金 100万円に対して、たった1回のトレードで5万円(5%)のマイナスなんてのは明らかにリスク過剰な取引といえる
リスクと資金管理の考え方については書籍 システムトレード基本と原則、ラリーウィリアムズの短期売買法、タートル流投資の魔術 あたりが参考になるので是非手にとってみてほしい
ちなみに、これら3冊の中で一番読みやすいのはタートル流〜だろうが、どれか1冊だけ買うとしたら システムトレード基本と原則 を推奨したい(私にとっての投資バイバル)
トレーディングで成功するための本当の秘密はただひとつ、損失を管理することだ。
損失を対応できるほど小さくしておくことができ、利益を損失よりも大きくしておくことができれば、あなたは敗者のゲームで一歩先んじている。
勝ちトレードはほとんど無視してよい。それらは普通、問題にならない。
〜中略〜
成功するためには損失の管理にすべてのエネルギーと決断力を集中する必要がある引用元:システムトレード基本と原則 第3章 最もうまく負ける人が勝つ
FX口座(ブローカー)選びの重要性
通常時のスプレッドの狭さや、多くのFX情報サイトで掲載されている人気FX口座ランキングだけを参考にしてFX業者を選択すると、今回のような稀に発生するパニック相場時に想定外の大損失を被ってしまうリスクは高いかもしれない
もしかすると単純に広告・紹介料が高い順ランキングかも??
2015年1月15日に発生したスイスフラン・ショックや、2015年8月24日のチャイナ・ショック時に話題となったFX業者では、今回も同様にスプレッドの大幅な拡大やレート配信が一時停止していた?
H社やR社、D社、Y社、G社などは今回のような相場急変動時にはよく名が挙がるので特に驚きはないが、今回に関してはセントラル短資FXもスプレッド大幅拡大+レート配信停止?となっていたのが意外だった(私もミラートレーダー口座を利用中)
2019年1月3日の「フラッシュクラッシュ」で評判を下げてしまった証券会社は?
セントラル短資はあのスイスショック時も逆指値が比較的まともに機能していて、約定力の高いFX業者としても評価されているようなのだが今回は正月期間中ということもあり、対応しきれなかった感じか?
とはいえ、これはあくまでヒストリカルデータから想定した参考値であり、レートは配信されていても注文が全く通らない業者もあったようなので、実際のところ(ストップロスはちゃんと機能したのか?など)は結局のところ当事者にしか分からない
クリック証券は最安値 105.857となっているが、仮に105.50とかに損切り入れていてもデータ抜けの間にストップで打たれていたはず・・・。
損失をすぐに取り戻そうと考えてはいけない
特に普段よりも大きな損をしてしまった時、誰もがすぐに取り戻したいという欲求にかられる
しかし相場に焦りは禁物で、そういった感情を抑えきれずに無理にトレードを行うとさらにマイナスが膨らむ負のスパイラルに陥ってしまうの可能性が極めて高い(私も過去何回も経験済み)
運用資金の10%以上失ったら、一旦相場から身を引いて休む(頭を冷やす)ことを強く推奨したい
相場急落時(1/3)に保有していたポジションの決済状況
参考までに私が1/3時点で保有していたポジションの決済履歴についても紹介しておく
SBIFXとデューカスコピーでUSD,EUR,CADの対円売り(円買い)+USDCAD ロング(ドル買い)の計4ポジションを年越しで保有しており、逆指値SL(ストップロス)はもちろん、円買いポジションに関してはトレールSLも設定しており、1/3の朝起床した時には円買いポジションはすでにトレールで決済されていた(USDCADは起床後に成行き決済)
↑のようにトレール値幅は3通貨ペアとも180Pipsで設定しており、SBIFXで保有していたUSDJPY、EURJPYに関してはわずかに不利約定となってはいるものの、ショートであろうとあの状況でこの程度(4Pips以下)のスベリで約定したFX業者は他にあったのだろうか?
またデューカスコピーで保有していたCADJPYに関しては、+18.7Pipsの有利約定となっていた(ちなみにSBIFX チャート上でのCADJPY 最安値は78.105)
デューカスコピーは国内業者では珍しいECN方式のNDD口座ということもあり、逆指値でも不利約定・有利約定のどちらも発生するが、今回のCADJPY ショートに関してはSBIFXではなくデューカスコピーを選択しておいてラッキーだった(SBIFXだったら80円前後で決済されていた計算)
さいごに
以上のように、今回はフラッシュ・クラッシュとも呼ばれる1/3の急落相場で大きな損をしてしまったFX初心者の方向けに書いてみました。
新年早々、残念な気分になった事でしょうが、すぐに損を取り戻そうと焦らずに、今後もトレードを続けるのであれば、まずは長期に生き残ること(リスク管理)を目標にすることをオススメします
特に流動性リスクへの警戒を怠らず、長期トレンドに逆らったポジションは取らないよう注意!また、ポジションを取る際には逆指値(損切り)を必ず設定し、エントリーする前にいくらの損になるのか把握しておくよう努めましょう
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以上、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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