
最近の記事ではあまりトラリピ運用(擬似)に関する内容は取り上げていないように思うのだが、当ブログ訪問者の方からいただくメールはトラリピ(主にMT4 EA)に関するものが多い。
それだけトラリピという高勝率のナンピン手法に魅力を感じる人が多い反面、M2Jの取引条件(スプレッドや取り扱い通貨ペア数)に多少なりとも不満を感じ、より有利な条件でトラリピ運用を行いたいと考えている人は多いということでしょう
これまでのトラリピ手法による運用収益は、トータルとしては十分プラスながらも[トラリピの怖さ+損切りの重要性]1回の損切りで大損失の失敗経験を振り返る で書いているように、実際に大損を経験し「レンジ相場とトレンド相場を分けて考えることの重要性」について学んだ
今回はタイトルの通り、大損経験済の私が考える「トラリピ運用で大損回避に有効な指標シグナル」について紹介
目次
逆方向へ強いトレンドが発生したら潔く負けを認め、損切り実行
あくまでほったらかし運用に拘り、5年,10年といった長期間含み損を抱えた状態でも平気でいられる覚悟があるのなら話は別だが、そうでないなら自分が持ったポジションと逆方向への強いトレンド発生時は「損切りするまで負けじゃない」などと考えて悪あがきをしてはいけない。潔く負けを認めて損切りを実行すべきだ
強いトレンド相場 判断のカギは週足チャートにアリ
「では、何を持って逆方向への強いトレンド相場と判断するのか?」
- [21] ボリンジャーバンド(Bollinger band)
- [26] 標準偏差(Standard deviation)
- [14] ADX(Average Directional Movement Index)
私がトレンド相場の判断に利用しているテクニカル指標は↑の3つである
これら指標を用いたトレンドシグナル判断手順は西山孝四郎「勝てる場面をどう見分けるか?」に書かれている通りであり、この手法は全て西山先生のレポート、DVD等から学んだものだ。
→[独断と偏見レビュー]DVD『相場で道をひらく7つの戦略 ~標準偏差ボラティリティトレード』
日足だけでなく週足でもトレンドシグナルが発生すれば、それはかなり強いトレンド相場、さらに月足でもシグナルが発生しているようならそれは強烈なトレンド相場であると解釈する
ほとんどの国内FX口座のチャートでボリンジャーバンド、ADX(DMI)は表示可能ながら、標準偏差も表示できるチャートを提供しているFX口座はかなり限られているように思う
個人的には以前紹介したことのあるFX神アプリMeta Trader 4(主にiPad)でこれら指標+αを表示させ、チャートソフトとして日々利用している
私の場合、株INDEXやWTI原油などの動向も同時にチェックしたいので、Fxproアカウントにログインしてチャートを確認しているが、為替(FX)だけで良いのであれば、OANDA JAPANを利用しても良いと思う(どちらのデモ口座も無期限利用が可能だ)
↑はOANDA JAPANにログインした上で表示させたランド円週足チャート(iPad版MT4アプリ)
P&Fチャートと比較してダマシ発生頻度が低い
以前[タラレバ検証]P&Fチャート分析で今回の急落(円高)相場はある程度予測できたのか? で紹介したように、P&Fチャート分析も相場予測ツールとしてある程度有効だと思う。
しかし、個人的にはP&Fチャート分析よりも、今回取り上げた3つの指標による日足・週足チャートシグナルを重視した方がダマシとなるケースが少なく、より良いトレード結果に結び付きやすい気がする
週足終値ベースだけで判断すると手遅れになるケースも
2015年12月 第2週はランド円が8.6→7.6円と、たった5営業日で約1円(11%強)も急落したわけだが、今回の相場は週足終値が確定するまで待っていては手遅れだったといえるケースだ
しかし週足だけでなく、日足チャートもしっかり注意して確認していれば、12/8終値時点で今回取り上げた3指標の売りシグナル点灯に加え、約3ヶ月続いたレンジ相場の下限を終値ベースで明確に下抜けというチャートポイント上での『危険サイン』が確認できたはずである
↑直近のランド円 日足チャート
もちろんレンジブレイクにもダマシは起こるが、そうならなかった場合、大相場に発展する可能性が高い。レンジ相場が数ヶ月以上と長く続いた今回のようなケースでは特に警戒が必要で躊躇なく損切り実行すべき局面であったと言える
さいごに
トレーダーなら誰しも「損失を確定する行為は出来れば避けたい」と考えるのは当然で、トレーダーの大半は先延ばしする方を選ぶと思う。しかし、損失を先延ばしすることで10回中8回は上手くいくかもしれないが、残りの2回で多く(または全て)を失い相場から去ることになるというのは事実だと思う。
私自身もそうであったように、FX初心者のほとんどはドル円もしくは豪ドル円などのクロス円通貨の買いから入るものだと思う。そして、私を含む多くの人達が過去数年間トラリピ運用でプラス収益を得ることができたのは『マーケットテーマが円売り』だったというのが最も大きな要因だ
この先どうなるか分からないが、ただ単純に円売りさえしていれば儲かったこれまでの相場はもう終わった可能性は高いように思う
これから円売りメインでトラリピ運用を開始しようと考えている人は、日足・週足の両方で自分のポジションと逆方向の売りトレンドシグナル点灯は『最後の宣告』だと捉え、それ以上の損失先延ばしは可能な限り避けて「上手に負けれるトレーダー」を目指してもらえると嬉しい。
残念ながら「勝ちたい」「正しくありたい」という願いはトレーディングで利益を出す妨げになる。
明らかに勝つことは素晴らしい。だが、それを第一目標にすることは不適切であり、混乱の元になる。成功したければリスク資産を管理することを目標にすべきだ。
リスク資産を管理することで、勝って大金を稼ぐという目標から、一貫して賢明で、持続可能なトレーディングへと目標が変わる。引用元 ︰私にとっての投資バイブル書「システムトレード 基本と原則 p72」より
以上、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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