
最近ではトラリピ人気通貨ペアという点でトルコリラやNZ、米ドルなどが勢いを増し、以前と比べるとやや存在感の薄くなりつつある豪ドル円。
金利の面でいうと以前より旨味は少なくなったとはいえ、現状でも政策金利2.5%ということで欧州通貨と比較するとまだまだ高スワップも見込めることもあり人気の通貨ペア。
そんな豪ドル円ですが、投資に最適な期間といわれる黄金の180日間[昨年10月末〜4月末]と2014年約1年間の相場においてトラリピと長期保有した場合、どっちが高パフォーマンスだったのか?トラリピ注文において利益確定幅は50銭と1円でどれほど違いが生じたか?をOANDA JapanMT4のバックテスト機能を利用しての検証してみました。
目次
検証の条件
・期間 2013年10月末〜2014年4月末
・トラリピの仕掛けレンジは100円〜87円、スプレッドは5銭、4月末で保有建玉は全決済
・運用証拠金 75万円(上記仕掛けレンジ&50銭刻みの買い注文で最悪想定レートを70円とした場合、約75万円の資金が必要となる為)
・長期保有のスワップは60円(1万通貨/日)で試算
2013年10月末と2014年4月末の価格差
↑のように2013年10月末と2014年4月末終値の価格差は約2円と、終盤の追い上げで何とか一応プラスで終わったというのが昨年10月末〜今年4月末にかけての豪ドル円(AUD/JPY)の結果でした。
レバレッジ約2.5倍で長期保有した場合
差益 約4万円 + スワップ約2.1万円 最大含み損 約95,000円 (2014年2月の安値 約88.25)
180日という長期間ポジションを保有し続ける事を前提とした場合、レバレッジは3倍以下に抑えるのが妥当。
ということで、ここでは10月の終値93円で2万通貨買い(レバレッジ約2.5倍)を比較対象としました。
仕掛け幅&利確幅共に50銭の場合
差益 約42,000円 + スワップ 最大含み損 約38,000円
仕掛け幅50銭・利確幅1円の場合
差益 約43,500円 + スワップ 最大含み損 約39,000円
上記条件下においてスワップも考慮した総利益額の結果は[ポジション持ちっぱなし長期保有]の方がトラリピより儲かったと考えてよさそうですが、最大含み損の多さがやや目立ちます。
トラリピの利確幅を50銭と1円で設定した場合での比較では、50銭より1円で設定した方が僅かながら実現差益も大きく、スワップも多く見込める為、利確幅は50銭より1円に設定した場合が高収益だったと考えていいでしょう。
2014年相場においては?
2014年元旦〜12/23までおよそ1年間の豪ドル相場環境においては以下の様な結果となりました。
2万通貨(レバレッジ約2.5倍)で長期保有した場合
2013年の終値94円、12/23の終値97.6円 → 3.6円(円安)
差益 約72,000円 + スワップ約4.3万円 最大含み損 約11.5万円 (2014年2月の安値 約88.25)
仕掛け幅&利確幅共に50銭の場合
差益 約59,500円 + スワップ 最大含み損 約46,000円
仕掛け幅50銭・利確幅1円の場合
差益 約71,000円 + スワップ 最大含み損 約48,500円
2014年およそ1年間の相場状況下においてもそれほど大きな差はないと思われますが、長期保有しっぱなしの方がトラリピ手法よりも、やや儲かったと考えてよさそうです。
ただリスク&リターンの観点から見ると、最大含み損が半分以下で済んでいるトラリピの方が定期的に利益も積み重なっていくのもあり、長期保有しっぱなしの場合と比べて、より楽な気持ち的で(落ち着いて)相場を見守ることができたことが想像できます。
また、2014年は9月まで全然値動きの少ない相場だったので利確幅は50銭の方が利確幅1円より儲かったのでは?と予想していましたが、やはり2014年の相場においても利確幅1円の方が高収益だった模様です。(もし9月以降の急激な円安がなければおそらく結果は逆だったと思いますが)
相場次第といえばそれまでなのですが、一般的に豪ドル円の利益確定幅は50銭よりも80銭以上が良いと言われていますが、私もそう感じています。
加えて当時の相場環境から考えても、証拠金を75万円用意しロスカットレートを70円以下としてトラリピ運用するのは結構な低リスク運用だと個人的には思いますが、それでも利確幅1円のケースでは証拠金比率10%以上の収益が得られていることが分かります。
結果的には2013年8月の安値 約86.4は割れることはなかった為、少し高リスクを覚悟の上で85円をロスカットラインに設定したアクティブ運用の場合(必要証拠金は約33万円)証拠金比率20%以上の利益が獲得できた計算になります。
ただこれらはあくまで結果論であって、個人的にロスカット85円の設定はちょっとアクティブ過ぎ(ハイリスク)設定のように思います。
以上、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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